
「ホームページを作ったのに、なぜか問い合わせにつながらない」
「情報がうまく伝わっていない気がする」
そう感じたことはありませんか。
人がサイトで迷ってしまう最大の理由は、「情報が足りないから」ではなく「進むべき道順が見えないから」です。
この記事では、かつて私が手作りした「公的手続きの申請ガイド」の原体験をもとに、訪れた人の時間を奪わないための「ホームページの導線設計」についてお話しします。
迷う時間を減らす「道案内」が、大切な時間を守る
制度はあっても、「道順」がなかった
2004年、わが子が小児がんと診断されました。
そこで直面したのは、病気への不安だけではありません。各種手当や助成金など、山のような公的手続きです。
もちろん病院側から案内される基本的な手続きはありましたが、当時は院内にさまざまな制度を総合的に相談できる窓口までは整っていませんでした。
そのため、「ほかにどんな制度があり、自分はどこに何を出せばいいのか」は、自分で一つひとつ手探りで調べるしかなかったのです。
なかには、病院側から「過去に前例がないため、申請してもおそらく通らないだろう」と言われた制度もありました。
しかし、自分で要件を調べて申請した結果、無事に審査が通り受給することができたのです。
このとき、制度そのものは存在していても、「正しい情報への道順」が示されていなければ、救われるはずの人に届かないのだと思い知らされました。
手作りの「申請ガイド」と、あるご家族の言葉
「あのときの自分のように、道順が分からず迷っている人の力になりたい」
そう考え、複雑な制度を一から整理し直して、誰でも順番通りに進められる「申請ガイド」を作って病棟に置いてもらいました。
それを見たあるご家族が、こう言ってくださいました。
「書類と格闘する時間が減って、子どもと一緒にいる時間が増えた」
正しい道案内があるだけで、人は迷う時間を減らし、本当に大切なことに時間を使えるようになる。
このときの原体験が、今のホームページ制作における導線設計の土台になっています。
人が迷うのは「道順」が示されていないから
申請ガイドを作りながら強く実感したのは、「必要な情報は、実は最初から世の中にあった」ということです。
役所の窓口にも配布資料にも、制度の説明自体はきちんと書かれていました。
それでも多くの親御さんが途方に暮れていたのは、
- 「今の自分に関係があるのはどれなのか」
- 「どの順番で手続きを進めればいいのか」
が分からなかったからです。
情報は揃っていても、そこへ辿り着くための「道順」が示されていませんでした。
これは、ホームページでもまったく同じことが起きています。
サイトの作り手は、どのページに何が書いてあるかをすべて知っています。
しかし、初めて訪れた人は全体像を知りません。
作り手側が「ちゃんと載せてある」と思っていても、訪れた人からすれば「どこにあるのか見つからない」状態になってしまうのです。
導線設計の本当の役割は、この「作り手と受け手の見え方のズレ」を埋めることにあります。
残るか立ち去るかは、最初の「10秒」で判断される
この問題は、スマートフォンで見るときに一段と深刻になります。
総務省の調査(2025年)でも、個人のインターネット利用端末はスマートフォンが74.3%を占め、パソコン(45.6%)を大きく上回っています。
パソコンであれば一目で見渡せるメニューや全体構成も、画面が小さいスマホではほんの一部しか目に入りません。
さらに、訪れた人はじっくり読んでくれません。
ユーザビリティ研究で知られるニールセン・ノーマン・グループ(NN/g)は、Microsoft Researchの大規模調査をもとに、「ページを訪れてから最初の10秒が、そのまま残るか立ち去るかを決める」と指摘しています。
ページ数が少ない小さなサイトであっても、訪れた人が迷っていられる時間は、想像以上に短いのです。
訪れた人を迷わせない「3つの視点」
では、迷わせないためには何が必要なのでしょうか。
実践しやすい3つの視点にまとめました。
1. 作り手の都合ではなく、「探している人の言葉」で書く
手続きで困ったことのひとつは、制度の「正式名称」がわからないと探しようがないことでした。
困っている人は「〇〇助成制度」という名前ではなく、「治療費の負担を少しでも減らしたい」という切実な状況から情報を探しています。
ホームページのボタンやメニュー名も同じです。
専門用語や抽象的な言葉は、読む人に意図が伝わらず、素通りされてしまいます。
「サービス」より「料金とプラン」、「詳しくはこちら」より「制作の流れを見る」のほうが、クリックする前に行き先がわかります。
リンクの文字を少し具体的に変えるだけで、「この先に欲しい情報がありそうだ」とクリックする前から見通しが立ち、道案内の精度はぐっと上がります。
2. 「次に何をすればいいか」の手順をはっきり示す
手続きで一番不安だったのは、「そもそも自分はこの制度の対象なのか」「結局、自分は何を用意して、どこへ行けばいいのか」が見えないことでした。
条件がわかり、やるべき手順が一つずつ見えていれば、人は安心して一歩を踏み出せます。
ホームページも同じです。
訪れた人は「自分も頼んでいいのかな」「問い合わせたらどんな流れになるんだろう」と手探りの状態で見ています。
- 対象を明確にする:
「こんなお悩みをお持ちの方へ」と明記して、自分が該当していると安心してもらう - 全体の流れを示す:
「お問い合わせ → ヒアリング → お見積もり → 制作開始」といったステップをあらかじめ見せておく - 次の一歩を1つに絞る:
ページの終わりに「ご相談はこちら」「制作の流れを見る」など、次にとるべき行動を迷わず案内する
選択肢を並べすぎて迷わせるのではなく、「あなたに向けたものです」「次はこのボタンを押せば大丈夫です」と、次の一歩をシンプルに示すことが大切です。
3. 「ここで合っている」を最初の画面で伝える
検索からやってきた人は、画面を開いた瞬間に「自分が探している場所で合っているか?」を確かめようとしています。
ニールセン・ノーマン・グループも、最初の画面(ファーストビュー)に抽象的なイメージ画像があるだけで具体的な手がかりが少ないと、たとえページの中に正しい答えがあっても「見る価値がない」と判断されて立ち去られてしまう、と警告しています。
雰囲気のよいビジュアルも世界観を伝えるためには大切です。ただ、それ以上に重要なのは、その画像のすぐ近くに「誰の、どんな悩みに応える場所なのか」を言葉としてはっきり明記しておくことです。
「探していた答えがここにある」と最初の数秒で確信できて初めて、訪れた人は安心して次のスクロールへと進むことができます。
まずはスマホを手に、「初めての人の目」で見てみる
サイトの導線を見直すのに、高価な分析ツールは必要ありません。
まずはご自身のスマートフォンを取り出し、「初めて訪れたお客様」になりきって操作してみるのが一番の近道です。
チェックしたいのは、次の3点です。
- 最初の10秒で伝わるか:
トップページを開いてすぐに、「何の事業で、誰の役に立つサイトか」がわかるか - 迷わず見つかるか:
メニューの言葉を見るだけで、知りたい料金や相談方法へ迷わず行けるか - 次の道順があるか:
どのページを読み終えた後にも、「次に見るべき案内」が用意されているか
自分のサイトだと、どうしても「すでに知っている知識」が邪魔をして客観的に見にくくなります。
もし可能なら、ご家族や知人など、まだサイトを見たことがない人に操作してもらうのがおすすめです。
その人が操作の手を一瞬止めた場所こそが、真っ先に直すべき場所です。
導線設計とは、相手の時間を大切にすること
かつて作った「申請ガイド」がご家族に喜んでいただけたのは、内容が詳しかったからではなく、「どうすればいいか迷う時間」を減らせたからだと思っています。
浮いた時間は、そのままお子さんのそばに寄り添う時間になりました。
ホームページの導線設計も、本質はまったく同じです。
訪れた人が迷わずスムーズに知りたい情報へ辿り着ければ、その人の大切な時間を奪わずに済みます。
そうした誠実な配慮の積み重ねこそが、「ここなら安心して任せられそう」という信頼につながっていきます。
はなウェブでは、5ページの基本プランであっても、訪れた人が迷わず目的にたどり着ける「無理のない道案内」を大切にしています。
また、ページ数が増えるサイトや複雑な動線が必要な場合には、状況に応じた個別の導線設計もオプションとしてじっくり組み立てています。
「これから新しくホームページを作りたい」「今のサイトを見直してリニューアルしたい」という方は、まずはどんな人に何を届けたいか、お話を聞かせていただくところから気軽にご相談ください。
ご準備状況に合わせて
選べるサービス
ホームページの制作はもちろん、競合調査や戦略設計、原稿作成といった
「サイトの価値を高める専門工程」を、必要な部分だけご依頼いただくこともできます。
サイト作りはお客様ご自身で進められるお客様にも、ご利用いただけるメニューです。
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[お問い合わせフォーム]から承っております。


